BIO BLOG

ビオキッチンメンバー紹介vol.3 横山ゆきのさん

ビオキッチンのメンバーの一人、横山ゆき乃さんをご紹介します。

スパイスを多用してビオ野菜にちょっとひとひねり、オシャレな一品に仕上げるゆきのさんは、栞草ヒトミズとしても活動されており、藤野では憧れの存在と思っている方も多いのでは?

藤野に移住したきっかけ、ビオ市との出会い、ゆきのさんにとってのビオ市などについて、お話を伺いました。

藤野に移住する前はどこにいましたか?

田舎暮らしとシュタイナー教育を求め藤野に移転

以前は川崎西部の郊外に住んでいて、二人目の子どもが念願叶ってシュタイナー幼稚園に通うことになり、自然染色や羊毛の手仕事、マクロビオティックやヴィーガンの料理が身近になりました。

農家出身で保存食や子ども服を当たり前のように手作りしていた母や、東京育ちだけど野生の動植物が大好きで、手が器用で自宅の家具や庭の設計・造形、小屋まで作ってしまう父の影響は大きく、小さい頃から手づくりや料理の真似ごとは大好きでした。
シュタイナー幼稚園の手仕事に精を出し、手料理を持ち寄ったり、家で振る舞ううちに、友達が「お料理が美味しいからカフェとかしてみたらいいのに」と言ってくれたことがきっかけで、家でワークショップを開催したり、お昼にヴィーガンランチを出すようになりました。
それが栞草という名前で活動するようになったきっかけです。食べ物に関する活動はヒトミズという名前で出しています。

その後、子どもたちは公立の小中学校に通っていたのですが、しばらくして夫の働き方が変わり、いつかは(老後は?)したいくらいだった田舎暮らしの話が急に現実味を帯びてきたのです。

シュタイナー教育の土曜クラスに子どもを通わせていましたが、かねてより全日制のクラスに通わせたいという私の希望があり、田舎だったらシュタイナー学園のある藤野に移転しようと提案しました。
話し始めて半年の間に、学園への転入手続き、物件探しを経て、2015年5月引っ越しというスピード移住となりました。

ビオ市出店のきっかけは?

栞草の活動を藤野の方にも知ってもらいたい

私は何事もひとつひとつ確認しながら進める性格らしく、暮らしの基盤や人間関係も少しずつ広がっていきました。
まずは子どもが転入した学園の係りを担ったことで、学園に友達が少しずつ増え、約1年が経ち藤野の暮らしにも慣れてきた頃に、
栞草のワークショップを再開しました。
オーガニックオイルを使いアロマケアの物も作っていたので、自分が創作しているものも藤野の人に知ってもらいたいなと思い、ビオ市への参加を考えるようになりました。
はじめて出店したのは移住から1年半以上経った頃でした。

それまでも何度か ビオ市にお客さんとして来たことはありましたが、私は藤野の隣町に住んでいるので(シュタイナー学園転入に合わせての移住のタイミングで、ちょうどよい物件が見つからず相模湖に落ち着きました)、最初は学園以外には知り合いもあまりおらず、ビオ市では買い物して帰るだけでしたが、出店者としてビオ市に参加するようになると、お客さまや顔馴染みになった出店者の方との会話も増え、ビオ市と繋がっている地域のコミュニティに入っていくきっかけとなりました。

その後、ビオ市での販売について、出店者どうしでより良い形を模索するなかでお声をかけていただき、お惣菜を作るチームに参加することにしたのです。

ビオキッチンメンバーになってよかったことは?

創作意欲をかきたてられるビオ市の野菜

ビオキッチンのお料理を 楽しみにしてくださる方がいるので、メンバーになれたことを誇りに思っています。
個人で出店していた頃は、自分の活動をどうやって伝えていくかに意識が向いていたのか、ビオ市との関わり方も限定的でしたが、今はビオ市メンバーとしての意識がより高まり、他の生産者や出店者との情報交換や会話も増えました。
ビオ市をより楽しい魅力的な場にしていくことに意識が向き、皆で盛り上げていこうという気持ちを共有し、繋がりや絆も強くなりました。
結果、必要な時には助け合えるという安心感が私の中に生まれましたし、私にとって地域で助け合える関係を築いていける土台となりました。

お料理については、ビオ市の野菜を使うという決まりがあることで、季節ごとに採れる地域の素材を使って、どういう惣菜を作ろうか考えることが楽しいです。

予めその時採れる野菜を伺って ある程度頭の中で手順を描いておきますが、実際手にしてから、その素材を活かすというライブ感が楽しく、
今までのレシピや家庭で作っていたものとは違う組み合わせを思いつくこともあり、毎回わくわくするんです。

以前は自分の食べたい味を出すために スパイスやハーブを多用したり、乾物などの副素材や他地域の野菜も合わせて使っていましたが、野菜が美味しいから、合わせる素材も少なくなって調理もシンプルになってきました。

何せ味噌や醤油まで、自分たちでまたは近くの方が育てた無農薬の大豆や米、小麦を使って麹から仕込んだものがあり、これがまたとびきり美味しいとくれば、味つけに使わない手はありません。
地域の美味しい素材があって、そこにスパイスやハーブでちょっと自分らしさを加えているような感覚です。

自分が誇りを持って人におすすめできる野菜や調味料が身近にあり、それを普段の暮らしの中で使い、人にも提供できるのは、とても幸せなことだと思います。

ゆきのさんにとって、ビオ市の魅力は?

ありのままの自分を受け入れてくれるコミュニティ

自然や出来るだけ自然に近い方法で育てられた野菜や食べ物、オーガニックな生活が好きな人たち、豊かな才能やそれぞれの魅力を持った人たちが集まってくるビオ市。

出店者だけでなく、お客さんも一緒に情報交換できて、コミュニケーションが広がっていくところが素敵だなと思います。

私が触れているのは藤野の一部分かもしれないけれど、それはクリエイティブな人、既成概念にとらわれずに新しい仕事や繋がりを創造していく人々が集まるコミュニティ。
強い結束というよりも緩やかに繋がり、必要な時は手を差し伸べ合い、困難を問題ではなく飛躍のためのチャレンジとして捉え一緒に楽しめる人びと。
最初は田舎暮らしとシュタイナー教育が目的で藤野に来て、ビオ市に出店したのも自分側の理由でしたが、売っているもの以上に人が魅力的な場所ですね。
ビオ市に出店するまでは、シュタイナー教育からの価値観が強く、思想家やスキルを持って活動する人と、それに近づきたくてもなかなか辿りつけない自分とのギャップを感じていて、栞草の活動していなかったとしたら私のアイデンティはなんだろう、やめたら自分の魅力もなくなるのでは?と 人に認められたくて一生懸命やっているような部分もありました。

けれど、だんだん肩の力も抜けてきて、できる範囲で関わるようになりました。
自然体の自分をいろんな人が受け入れてくれるから、自分本来の姿を出していけるような、暖かい心持ちになれました。

ビオキッチン以外でも活躍されていますね?

様々な可能性があり、魅力の尽きない藤野での暮らし

週に数日、ビオ市の開催場所でもある藤野倶楽部で仕事しています。
食事だけでなく、自家農園や宿泊もできる古民家もあり、国内外から様々な人が訪れます。
オーナーの桑原さんは何事にも柔軟に対応される方で、イベントに場所を提供されることもしばしば。スタッフとして働いていても気持ちが良い場所です。

もちろん栞草ヒトミズとして、お料理会や手仕事のワークショプ、ランチなどの活動も
マイペースで続けています。

今後は、民泊やリトリートなどにも興味があり、相模川の美しい谷を見下ろす眺めの素晴らしい自宅を生かす活動を構想中です。

藤野に来て、新たな価値観を見出したゆきのさん。
里山暮らしの魅力を最大限に生かし、シンプルながらキリッとしたセンスある形に仕上げていく姿は、凛としています。

ビオキッチンも、栞草も、藤野倶楽部も、これからの活動も楽しみですね。

横山ゆきのさんプロフィール

世界各地の郷土食・保存食、行事食、お菓子、パンなど興味の向くまま、
マクロビやローフードなどの考えも取り入れ、身体にやさしい野菜料理にアレンジします。
使用するのは無農薬の野菜や雑穀、伝統製法の調味料など。
野菜の滋味あふれる美味しさを味わえるシンプルなヴィーガン料理、
組み合わせやスパイス・ハーブ使いを工夫したオリジナルのレシピ、
植物性材料だけでも満足できるよう献立を工夫しています。

古い物や草花など素朴な美しさをたたえた物でしつらえた
自宅の空間・栞草でのワークショップも開催しています。

https://sihorigusa.blogspot.com/
https://hi-to-miz.blogspot.com/

Instagram: sihorigusa
facebook: 栞草 sihorigusa

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

土屋商店コミュニティへようこそ

応援宜しくお願い致します!

ビオ市/野菜市の音

ビオ市/野菜市/BIOMARKET PLAYLIST vol.1 / by Naoshi Matsumura 藤野で第一第三火曜日に開催しているFarmers Market ビオ市/野菜市のレジデントDJが厳選したプレイリスト。 日本初の音楽と融合したFarmers Market ビオ市/野菜市の音をお楽しみ下さい。  
PAGE TOP