この日、ペンギン村・村長、土屋拓人氏は、内職として請け負った糸掛け曼荼羅の土台作りの作業を終えた。約一月をかけ、土台となる木の板に、ドリルで約十万個の穴をあけ終えると、土屋氏は歓喜の声を上げた。
大好評のビオ市の主催者が、どうして過酷な内職仕事を請け負うことになったのか。
ビオ市/野菜市を運営する、ビオ市事務局の実情の一端を語ってもらった。
ビオ市の実情と、今後の展開
「ビオ市・野菜市は色々ありながら、多くの人に支えられて、これまで継続できてきたことには、おかげさまでとても感謝している。立ち位置としては、地産地消&ローカルコミュニティ生態系の最先端と言っても良いと思う。ただ、ビオ市を運営している事務局側の体力がね。なかなか、厳しいよ」
ペンギン村※・村長を標榜するビオ市主宰、土屋拓人氏は、そう語る。
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ビオ市の運営を行っているビオ市事務局は、出店農家などから出店料や野菜のドネーションがあるものの、ほぼボランティアとして動いている。月二回開催のビオ市/野菜市当日の会場管理に加え、ビオ市開催前後の出店調整、経理事務、駐車場係の確保、各協力団体への連絡など、事務局の仕事は筆者が思っていたよりも煩雑で多忙だ。ビオ市事務局の仕事をしている間は、自分の仕事ができず、収入が減ってしまう。
「基本的にビオ市はお祭りだから、参加できるだけで満足なの。お祭りってそういうものでしょ?だから、見返りなんて要らないと思っている。ただ、ビオ市の場合年24回もあるからね。これを持続するためには、それなりに事務局の体力をつけなくちゃいけない、とも思っている。」
来年度から、市から出ている予算も減り、ビオ市/野菜市は自走式で運営する準備もしなくてはならない。今まで以上に事務局の体力が必要になるだろう。
※相模原市協働事業提案制度
「今後の展開としては、クラウドファンディングを利用して、ビオ市の産品や藤野のアート作品の情報を全国に発送できるシステム「BIOBOX」を作る予定。BIOBOXの収益の一部は、事務局の運営費にまわせる。BIOBOXについては、少しずつ情報も公開していくから、期待してほしい」
と、土屋氏は次の展開に期待を膨らませている。
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